日本人妻の消息調べ続く 子供は除外か
北朝鮮に在住する日本人のうち、帰国事業で朝鮮人の夫ともに北朝鮮に渡った日本人妻に対する消息調査が進行している。担当しているのは国家安全保衛部(情報機関)で、一部では日本への帰国希望についても調べている模様だ。
アジアプレスの北朝鮮内部の取材協力者たちが調べたところによると、咸鏡北道、両江道、平壌に住む日本人妻のもとを、保衛部員が直接訪ねて所在確認を行っており、日本への帰国意思を訊いているケースがあることが分かった。
両江道に住む行政職員の取材協力者は、今月中旬の電話で
「調査をしている保衛部の人間に話を聞いてみたところ、『本人の意思に応じて日本に行きたい人は日本に送り、行きたくない人は送らない。そのための(意思確認のための)調査をやっている』と述べた」
と伝えた。この取材協力者が会ったのは両江道の保衛部の幹部だ。
咸鏡北道に住む取材協力者は6月後半、次のように伝えてきた。
「近隣に住む日本人妻の家庭を訪ねたところ、『6月に入って保衛部員が家に来て、我が家の(日本人妻の)おばあさんの様子について尋ねていった』と言った。深刻な内容ではなく安否を訊く程度だったようだ」
両江道に住む別の取材協力者も、6月初旬に居住地の担当保衛部員と会って、保衛部が日本からの帰国者家庭の調査を担当しているとして、
「保衛部員たちは人民班を通じて『いなくなった帰国者』らについて、いついなくなったか、いつまで生きていたかを聞き歩いている」
と述べた。
さらに、6月27日に平壌から中国に出てきた貿易関係者も「日本人妻の調査を保衛部が行っている」と語った。
次のページ...
1 2