ミャンマー中部のパコック郡裁判所は10日、国軍の化学兵器製造疑惑を報じた週刊紙記者ら5人に1923年国家機密法違反で懲役10年の判決を言い渡した。
判決を受けたのは、1月にマグエ管区にある国軍第24防衛装備工場で化学兵器製造が密かに進められてきたと報じた地元週刊紙「ユニティ・ジャーナル」の ルーモーナイン記者(24歳)、シートゥソー記者(22歳)、アウントゥヤ記者(25歳)、ヤーザーウー記者(28歳)と経営責任者のティンサン氏(52 歳)。
この判決を受けて、国内の他の記者たちはすぐさま声を挙げた。12日には、テインセイン大統領が訪れたヤンゴン市内のミャンマー・ピース・センター 前で、口を黒テープで×印に覆い、「メディア弾圧を止めろ!」と赤字で書かれたTシャツを着た記者たちが無言の抗議デモを行なった。
地元紙の報道によると、同デモに参加した記者らのうち少なくとも8人が、「平和的集会・平和的集団行進の権利に関する法律」第18条違反の罪で立件 されたという。先月24日に改正された同条は、「許可なく集会又は集団行進をおこなった者は、6カ月以下の禁錮若しくは30,000チャット以下の罰金に 処し、又はこれを併科する」と規定している。
デモに参加したセブンデイ・デイリー紙のアウントゥヤ記者(36歳)は、「あの記事を掲載したことで、懲役10年の判決は不当だ。報道の自由のために受けて立つ覚悟だ」と語った。【赤津陽治】