27日の「戦勝行事」参加者 川増水で遺体捜索難航
北朝鮮北部・両江道で7月27日、川に架かる橋が崩落する事故があり、50人余りが死亡した模様だ。アジアプレスの北朝鮮内部の取材協力者が伝えてきた。(整理 ペク・チャンリョン)
大惨事が発生したのは、両江道の金亨稷(キム・ヒョンジク)郡。27日は朝鮮戦争勝利を記念する「戦勝節」で、行事に動員された女性同盟員(労働党傘下の女性組織)の50人余りが、橋の崩落で乗っていた自動車が川に転落。全員死亡したという。死因は溺死のもようだ。
「行事に参加した一行は、金日成の銅像に献花して戻る途中で、木製の橋が崩れ落ちて車に乗っていた人も歩いて橋を渡っていた人も、皆、川に落ちたと聞いた。雨で川が増水しており遺体はまだまったく探せていないらしい」
取材協力者はこう伝える。
また、同地域に住む別の住民に30日に問い合わせたところ、ほぼ同様の情報を伝えてながらも、死亡者数については「党の幹部は100人に達するだろう言っていた」と述べた。
さらにこの住民は
「この事故で両江道の労働党委員会は、遺族に慰労金を渡すために政府機関の職員は無条件に中国人民幣で30元を出すよう命じ、皆が出した。また事故についての噂を拡散するなと指示していた」
と述べた。
アジアプレスでは、中国キャリアの携帯電話を投入して北朝鮮内部と連絡を取り合っている。