8月26日、イスラエルとハマスは長期的停戦を結び、人びとに笑顔が戻った。写真はパレスチナの旗を振る少年。(8月26日ガザ市内で 撮影・古居みずえ)
8月26日、イスラエルとハマスは長期的停戦を結び、人びとに笑顔が戻った。写真はパレスチナの旗を振る少年。(8月26日ガザ市内で 撮影・古居みずえ)

 

◆つかの間の自由 8月26日
26日午後7時(日本時間27日午前1時)、イスラエルとハマスは長期的停戦を結んだ。

あちらこちらから銃声バーン、バーンという音、走り出す子どもたち、緑の旗をつけて走る車、通りはみるみる人だかりができていった。

店も開き始めた。5週間ぶりの自由。もう爆弾は落ちてこない。車も上空を気にせず走れる。人々の顔に久しぶりに笑顔が戻った。今まで姿を見せなかっ た若者も、子どもも、女性たちも、お年寄りも、皆ガザ市の中央に向っている。まるでイスラム教のお祭り、アイードがいっぺんに来たようだ。

イスラエルとハマスの長期的停戦を祝う人びと。(8月26日ガザ市内で 撮影・古居みずえ)
イスラエルとハマスの長期的停戦を祝う人びと。(8月26日ガザ市内で 撮影・古居みずえ)

 

家がある人たちは家に帰り始めた。停電はあるだろうが、久々の家で、爆撃音もせず今夜はゆっくり眠れることだろう。

家のない人はどうなるのだろう。家族を失った人はどうなるのだろう。一昨日、集合住宅を壊された人はどうなるのだろう。

何が解決されたのだろう、明日はどんなことが待っているのだろう、でも今は何も考えず、刹那的に今は喜ぼう、自由を味わえるときは味わおう、そしてまた考えればいいのだと思っているかのように見えた。
【ガザ地区 古居みずえ】

【ガザ攻撃】
6月末、パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸で行方不明になっていたイスラエル人の少年3人の遺体が発見され、イスラエル政府はイスラム原理主義組織ハマスの犯行だとして非難。今月初めにはこれに対する報復と見られるパレスチナ人少年殺害事件がエルサレムで発生。少年は焼き殺されたと報じられたことから、自治区ガザで抗議が広がり、ハマスがロケット砲撃をおこなった。イスラエルはただちに報復を決め、本格的な空爆作戦を開始。爆撃は広範囲にわたりハマス幹部宅やロケット弾発射地点のみならず、民間の家や国連の学校の避難所、病院、モスクあらゆるところがターゲットとなっている。そのために4週間で1900人以上のパレスチナの犠牲者が出ている。そのほとんどが女性や子どもを含む民間人だ。またハマス側もロケット弾などで応酬を続け、イスラエルの犠牲者は64人、そのうち61人は兵士だ。ガザ攻撃は過去にも何度も 起きており、2008-2009年にはパレスチナの死者はおよそ1400人、イスラエルの死者は13人である。

 


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