イスラエル軍からの激しい攻撃が続く、パレスチナ暫定自治区ガザ。死者数は、8月2日現在で1600人を超えた。爆撃は広範囲にわたり、女性や子どもを含む一般住民に多数の犠牲者が出ている。古居みずえが現地ガザから報告する。(アジアプレス編集部)
◆ディルバラの病院 7月29日
病院に着くと次々と負傷者が運ばれてきた。中にはすっぽりと白い袋に包まれ、顔も見えないまま運ばれていくタンカもある。ブレッジ難民キャンプで家が崩れ落ち、下敷きになって18人が亡くなった家族がいる。その家族が次々と運びだされているのだ。
すでに運ばれてきた中には4歳の少年、5歳の少女の遺体があった。母親はすでに死亡。爆撃され、同じ家族で一度に亡くなるケースが多い。2008年~09年の侵攻ではサムニ家一族が、親族も合わせて26人亡くなった。
2012年11月の侵攻時はアブダル家の10人が亡くなった。そして今回の侵攻で、アブ・ジャベル家一族16人の家族が犠牲になった。私の知らないところで、どれだけの民間人が犠牲になっていることだろう。
◆爆撃される国連の学校避難所 7月30日
朝5時、大きな爆音がガザ市にいる私のところまで鳴り響いた。ガザ市に近いジャバリア難民キャンプの国連の学校がイスラエル軍に爆撃されたのだ。
急いで駆け付けるとたくさんの人だかりがしていた。学校の門の前に繋がれていたロバが数頭、下に横たわっていた。生き残ったロバも負傷していた。
2人の女性が近づき、叫んだ。
「イスラエルの攻撃から避難所に逃げてきたのに、こんなにひどい目にあった。亡くなった中には生後4、5日の赤ん坊もいた。どうして民間人を殺すのか」
爆撃で22人が死亡。140人以上が負傷した。