イラク シリア 中東地域 戦争の現場から 【連載・写真特集】イラクのヤズディ教徒たち 【連載・写真特集】イラクのヤズディ教徒たち(3)◆聖地ラリシュ 2014.09.03 玉本英子 ラリシュでは誰もが靴を脱がなければならない。聖地のある谷間を裸足で歩く巡礼者たち。秋の巡礼月には谷間は泊りがけの巡礼者のテントでいっぱいになる。(シェハン・2005年)ラリシュを護る男性。教学のための神学施設もおかれ、若い信徒らがここで学ぶ。(シェハン・2005年)ラリシュの壁に刻まれた黒いヘビ。ノアの箱舟伝説に関係すると信じるヤズディ教徒もいる。「箱舟に穴が開き、水が入り込んだとき、そのヘビがとぐろを巻いて穴を塞いだ」とも伝えられるが、諸説が混在している。孔雀とヘビの信仰については、ヒンズー教との共通点をあげる考察もある。(シェハン・2005年)ヤズディの信仰対象は神であるものの、むしろ神よりも重要視するほど深い信仰を寄せるのが孔雀天使タウス・マレクである。ラレシュの中心部にある門には、孔雀が彫られている。イスラム教徒からは、この孔雀天使は「悪魔」とされ、「多神教、邪教」とみなす者も少なくなく、とくに過激イスラム主義者から標的とされることとなった。ヤズディの土着概念として、太陽信仰にくわえ、山や川などにも神が宿っているという意識もある。(シェハン・2005年)第4回「苦難の歴史」につづく >>> ◆第1部「ヤズディ(ヤジディ)の習俗、文化、迫害の歴史」(1~7)一覧 ◆第2部「イスラム国侵攻後のヤズディ居住地現地取材と女性拉致被害」(1~7) 一覧 1 2 3 Facebook postはてブLINEPocketFeedly