2003年のフセイン政権崩壊後、あらたな歩みを始めたイラク。抑圧は終わり、宗教的共存のなかで暮らしていける、とヤズディ教徒は 期待した。しかし、イスラム武装勢力が台頭し、さらなる暴力にさらされることになる。ヤズディの多いイラク北部で集団殺戮、自爆攻撃の標的となった。住民 が爆弾で狙われ、処刑も多発する。イスラム武装勢力は、キリスト教よりもヤズディ教徒に激しい憎悪を抱く。「邪教」とされてきたため、ジハード(聖戦)で 打ち倒す対象となったからだ。クルディスタン地域からの治安支援でようやく地域に安定が見え始めつつあった矢先、「イスラム国」が町になだれ込んだ。2012年に取材した写真の地域は、現在、「イスラム国」の支配下に置かれている。【報告:玉本英子】
第5回◆フセイン政権崩壊後~武装勢力の標的に
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