
1週間に与えられた食べ物は、一日にパンの切れ端がひとつ。妊娠し、臨月を迎えていたマハヤさんはそこで産気づく。拘束されていた女性たちに助けてもらい教室の片隅で女児を産み落とした。
「彼らにとっては私たちの命は何の価値もない。私も生まれたばかりの赤ん坊もきっと殺されるのだろう、とずっと泣いていました」と話す。
校舎では、独身、既婚と分けられた。姉妹は子どもを連れていたため既婚者と判断された。若い女性のなかには、床のほこりを顔にこすりつけ、老けて見 えるようにする者もいたが、医師が処女検査をしたためウソをつくことはできなかったという。10代の女性たちが先に選ばれて、連れて行かれた。彼女たちが 戻ってくることはなかった。(つづく)
イスラム国から脱出の女性に聞く(下)>>>
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