町の防衛のため、イスラム国との戦闘に向かうYPGの戦闘員たち。敗北すればイスラム国による処刑が待ち受けているため、町を死守するという決意は固い。(2014年1月撮影)
町の防衛のため、イスラム国との戦闘に向かうYPGの戦闘員たち。敗北すればイスラム国による処刑が待ち受けているため、町を死守するという決意は固い。(2014年1月撮影)

9月23日、米軍はシリア国内のイスラム国拠点に対し空爆を開始したが、際限のない軍事行動はさらなる混乱を招くことにもつながる。いくつかの拠点に空爆 をしてもイスラム国が壊滅するわけでもなく、一般市民が巻き添えになる可能性も高い。空爆で一時的にダメージを与えても、イスラム国への志願者はトルコか ら続々とシリア入りしているのが実態で、問題の解決とはならない。多くの地元住民はアメリカの空爆よりもトルコの国境管理への圧力を優先させるよう求めて いる。人びとが過酷な状況に置かれてきたなか、国際社会が協調して内戦解決に向き合わなかったことが事態を悪化させた要因のひとつともいえる。

戦闘が激しくなった周辺地域からコバニに避難民が逃れてきていたが、今回、イスラム国の攻勢でコバニも危険な状況となった。町から大量脱出があいついぎトルコ国境に避難民が押し寄せている。写真はコバニの学校の空き教室にで避難生活をおくる人びと。(2014年1月撮影)
戦闘が激しくなった周辺地域からコバニに避難民が逃れてきていたが、今回、イスラム国の攻勢でコバニも危険な状況となった。町から大量脱出があいついぎトルコ国境に避難民が押し寄せている。写真はコバニの学校の空き教室にで避難生活をおくる人びと。(2014年1月撮影)

今回、イスラム国による攻勢でコバニが制圧されると、多くの避難民が故郷を失うことになる。最も近くの避難先となるトルコ側の収容施設はすでに限界 を超えており、国境を越えられず食糧や医療支援を受けられないまま置き去りにされる住民が多数出ることが懸念される。冬が近づけば状況はさらに厳しくなる だろう。

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