◆辺野古埋め立て承認の取り消し・撤回も視野に
今年2014年11月16日投開票の沖縄県知事選に立候補を予定している、翁長雄志〔おながたけし〕前那覇市長は10月21日、那覇市内において県知事選に向けた政策発表の記者会見をおこないました。
県知事選では、辺野古の新基地建設問題が最大の争点になることは確実です。
翁長氏はこの記者会見でも、新基地建設反対を表明し、「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地は造らせない」と強調しました。
各種報道によると、新基地を造らせないための具体的な手法を問われた翁長氏は、知事選で当選した場合、2013年12月27日の仲井真弘多〔なかい まひろかず〕知事による埋め立て承認そのものを、取り消したり、あるいは撤回したりすることも視野に入れて考えると答え、具体的に説明しました。その要点 は次のとおりです。
「取り消しは、〔承認の〕手続きに法的な瑕疵〔かし〕があれば可能である」
「〔沖縄〕県当局もそもそも、公有水面埋立法にもとづく埋め立て承認に向けた環境アセスメントで、環境保全の面で大変厳しいと話していた」
「しかし、知事は誰とも相談せず、ひとりで承認を判断した」
「法的な瑕疵は十二分にあると思う」
「〔自分が〕知事になれば、この過程を検証したい」
瑕疵とは、法律上何らかの欠点・欠陥があることを指します。そして、翁長氏が「法的な瑕疵は十二分にあると思う」と指摘しているのは、埋め立て承認の前提となる環境保全措置の点に関して、はたして県当局の審査は十分だったのかという問題です。
公有水面埋立法第4条では、「環境保全と災害防止への十分な配慮」がされていない埋め立ては、知事は「免許することはできない」と定めています。
だから、埋め立てを承認するためには、「環境保全と災害防止への十分な配慮」がされていることが必要です。
2013年12月27日に仲井真知事が埋め立て承認をした際、日本政府による環境保全措置は講じられており、公有水面埋め立て承認の基準に適合しているとする判断が下されたのでした。
しかし、この判断に対しては当時から、環境保護団体をはじめ各界から疑問や批判の声が上がっていました。