◆ 情報公開と行政の透明性に逆行する秘密保護法
2014年12月10日、特定秘密保護法が施行されました。
同月14日の衆院選で、小選挙区制度のトリックにより、得票率に比べて不当にも多数の議席を占めた自民党・安倍政権は、従来の「戦争のできる国」づくりを目指す強硬路線に拍車をかける気配です。
行政・官僚組織が恣意的に秘密指定できる特定秘密保護法もむろん、政府に都合の悪い情報を隠蔽し、市民の目と耳と口をふさいで、戦争体制を築くための一環でしょう。
市民の「知る権利」を侵害する悪法にほかなりません。
21世紀になってようやく日本でも情報公開法と公文書管理法により、行政情報の公開と保存の制度が整い、行政の透明性の向上と説明責任の重要さがコンセンサスを得ようとしていました。
ところが、その時代の流れに逆行して特定秘密保護法が作られたのです。
情報公開という時代の流れに逆行する、官僚組織の秘密主義の体質を如実に示す例を挙げましょう。
それは、筆者が2008年以来、追及している日米地位協定(日米安保条約の付属協定で、米軍の日本における法的地位と特権を定めている)の密約に関するできごとです。
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