イラク シリア 中東地域 イスラム国 イスラム国(IS)の「首都」ラッカ内部は今(3) 頻発する公開処刑 2015.02.16 玉本英子 イスラム国支配地域のアレッポ県マンブジの裁判所。アサド政権時代の裁判所の建物は、黒く塗りかえられ、「イスラム裁判所」と改名されて、行政機構に編入されている。裁判所では、反対勢力弾圧だけでなく、市民の日常の係争案件も扱われる。(IS映像)ラッカ以外の場所でもイスラム国が独自解釈した「イスラム法」に基づく処罰が行われている。窃盗罪は手足の切断刑。見せしめによる恐怖統治と、犯罪抑止効果などから公開で行われることが多いという。一部の厳格なイスラム諸国ではこうした刑が行われる場合もあり、IS独特の処罰方法というわけではない。イスラム国広報部門は、各都市での手足切断刑の写真をいくつか公開しているが、切断後、病院で処置を受ける様子もあわせて報告している。(IS映像)同性愛者は死刑。高い建物から突き落とされる。地面にはすでに別の男性が倒れているのがわかる。ラッカウィ氏によると、落とされてもまだ息がある場合は、石を投げつけて殺すという。イラク・ニナワ県(IS映像) ◆私は昨年12月、シリア北部のコバニで取材しました。そこではクルド人民防衛隊(YPG)はIS陣地から大きなコカインの袋を押収していました。戦闘での恐怖や負傷したときの痛みから逃れるためにIS戦闘員が使っているということでした。 アルラッカウィ氏:なぜISがそのようなものを所持していたのか分かりません。ただ、ラッカ市内では、そのような薬物を所持していた場合、死刑です。ラッカにはドラッグが裏で存在し、それを密売しているような例はありました。 次のページへ ... 1 2 3 Facebook postはてブLINEPocketFeedly