◆IS戦闘員と市民生活の違いは何でしょうか?

アルラッカウィ氏:IS戦闘員たちは「ラッカは首都で、楽園のよう」と言います。もちろん彼らにとっては楽園でしょう。なぜなら、高額の給料を彼らは得ているからです。

とくに外国人戦闘員の待遇はいいようです。いい家、いい車を与えられています。
レストランやカフェで楽しむ戦闘員たちを市民は見ています。「私たちは何も買えないのに、彼らはなんでも買えて...」と、市民は憤りを感じています。
しかし、市民は彼らにNOとはいえないのです。なぜなら、もしNOと言えば、逮捕や死刑が待ち受けているからです。

市民がなぜこれらの苦境を外へ発信しないのか、と思われるかもしれません。しかし、こちらではインターネットの回線は弱く、使用料金も高いのです。 そして何より市民は恐れています。たとえば公開処刑の様子を、携帯電話機で撮って、その実態をジャーナリストに伝えたりでもしたら、殺されるのです。これ までに多くの人たちが殺されました。(つづく)

シリア内戦の混乱で台頭したISが2013年にラッカの支配を固めると、独自解釈したイスラム法にもとづいて行政機構を改変し、統治を行うようになった。住民の脱出があいつぎ、人口は減少している。写真はシリア政府軍から奪取した戦車でラッカ市内をパレードする戦闘員ら。(IS映像)
シリア内戦の混乱で台頭したISが2013年にラッカの支配を固めると、独自解釈したイスラム法にもとづいて行政機構を改変し、統治を行うようになった。住民の脱出があいつぎ、人口は減少している。写真はシリア政府軍から奪取した戦車でラッカ市内をパレードする戦闘員ら。(IS映像)
ラッカの宗教警察(右)は、金曜のお祈り時間は店を閉め、モスクに礼拝にいくよう伝えてまわる。口調は丁寧で、「礼拝に招待」という言い方で指導している。もちろん宗教警察の「指導」に面と向かって反発する市民はいない。(IS映像)
ラッカの宗教警察(右)は、金曜のお祈り時間は店を閉め、モスクに礼拝にいくよう伝えてまわる。口調は丁寧で、「礼拝に招待」という言い方で指導している。もちろん宗教警察の「指導」に面と向かって反発する市民はいない。(IS映像)

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