米軍普天間基地の「移設先」とされ、埋め立てに向けた動きが強行されている沖縄県名護市辺野古。安倍政権は、新基地建設ノーの民意を踏みにじるかたちで作 業を推し進め、抵抗する市民は拘束されたり負傷させられたり、海と陸で日常的に危険にさらされている。2月上旬、2泊3日で現地を訪ね、抗議行動に加わる 人たちの思いを聞いた。(栗原佳子/新聞うずみ火)
◆各地から抗議バス
2日6日午前9時半、那覇市の沖縄県庁前広場に、厚手の服を着込んだ男女が次々と集まってきた。ほどなく、大型のバスが横付けする。辺野古新基地建 設に反対する有識者や議員、市民団体などでつくる「沖縄建白書を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」が運行している辺野古行きのバスだ。
この日の乗客は約40人。「初めて参加した方は?」。車内でスタッフが促すと10人あまりが挙手をした。まずは自己紹介のマイクが回る。週末の金曜 ということもあるのか、初参加者の過半数は県外から。あちこちから「ありがとう」と掛け声が飛び、拍手が起きる。片道1時間半はあっという間。キャンプ シュワブのゲート前にはすでに大勢の人たちが座り込んでいた。
バスは昨年8月、ボーリング調査が強行着手されたのを機に走り出した。現地に行きたくても足がないという人の要望に応えた。毎週月曜日の運行だった が、今年1月10日深夜、抜き打ち的に資材が運び込まれ緊迫感が増し、当面毎日の運行に切り替えたばかり。8月から数えて、この日でちょうど40回目だと いう。県内の各地から参加できるよう、火曜は宜野湾市、木曜はうるま市、土曜は沖縄市、名護市からもバスが出るようになった。
この日は読谷村からのバスが先に到着していた。読谷村はこの4日前に「新基地阻止村民会議」を結成、毎週金曜に村独自に辺野古へのバスを運行するこ とを決めたばかり。きっかけは家族5人で座り込みに参加する同村の保育士、城間真弓さん(36)が村長に送った「直訴」の手紙だった。