◇「丸太の流通取締りを強化せよ」 国防委員会命令
金正恩氏は2012年4月27日に開催された「国土管理総動員熱誠者大会」の参加者に対する談話の中で「10年の内に、禿山となっている山々をすべ て樹林化しなければなりません。これは我が党の確固とした決心であり、意志であります」と述べ、荒廃した山林問題の解決に向けた強い決意を表明した。
こうした基調は最近になっても維持されている。去る2月27日、朝鮮中央通信は、前日に金正恩氏が党・軍・経済分野の幹部たちと行ったという談話を紹介した。
「...10年内にすべての山に青々とした森が広がるよう、山を変化せせることが、我が党の確固とした決心であり意志だ」
2012年と同様の内容を繰り返したのだ。
さらに
「現在、国家の山林は、今後永遠に荒廃したままなのか、それとも再び立ち上がるのかの分かれ目にあります。(中略)山林問題については、これ以上譲歩することはない」
という最高指導者の強い決意の言葉として紹介した。つまり、この問題を国家レベルの最優先課題として扱うことを再度確認したのである。
前出のぺク・ヒャン氏は「当局が『個人畑』での農業はもちろん、燃料用に丸太を山から運び出す行為も強く取り締っている」とし、さらにこう続けた。
「最近、山林荒廃を食い止めよという国防委員会名義の命令が下達された。山林哨所(監視所)は、山から一切の丸太の切り出しを禁止するよう、厳格な指示を受けている、万一、山林哨所を通過させたり、黙認したりする場合は厳罰に処すとしている」。
丸太は通常、幹部たちが主に燃料用の薪として商売人から購入、利用してきた。今回の措置により、表だって丸太を運搬したり、薪を売買することがなくなったとペク・ヒャン氏は語る。このため、一般住民は自ら山に入って薪を直接採っているとのことである。
人民班においても、次のような住民向けの宣伝が行われている。
「今年の最大の課題は林業にあり、この部門で革命の熱い風を起こせなければ、社会主義建設において莫大な損失をこうむることになるので『個人畑』を回収し、山林を造成する」。
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