張に連座して粛清が伝えられたチェ・ウンチョル。(映画「デホンダンの責任秘書」より)
張に連座して粛清が伝えられたチェ・ウンチョル。(映画「デホンダンの責任秘書」より)

◆高級幹部12人を「半公開処刑」

粛清の余波はまだ続く。14年10月に平安南道の取材協力者が、地方の保衛部の高級幹部から聞いたとして、平壌で二度の大がかりな「半公開処刑」が執行されたことを伝えてきた。

一度目の処刑があったのは10月6日あるいは7日で、労働党の中央党の課長3人と部下7人の、合わせて10人が姜健(カンゴン)士官学校の訓練場で銃殺されたという。

また同月11日にも、同じ場所で党幹部2人が銃殺された。この時処刑されたうちの1人は中央党の課長で、もう一人は黄海南道の中心都市・海州(ヘジュ)市の労働党トップの責任書記だったという。

「処刑の理由とされたのは、金正恩と党の指示・方針を貫徹する事業をおろそかにしたこと、張と結託していたことが露呈したためだという。さらに秘密の私組織を作ったことが罪状に挙げられているようだ」。

銃殺刑は、中央党、保安部(警察)、保衛部、司法機関の幹部が集められた前で「半公開」で執行されたという。各組織の幹部たちに対する「見せしめ」であったと思われる。また「銃殺には機関銃が使われたらしい」と、この取材協力者は付け加えた。(続く)
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