◆張への同情 生活難で政権には反発

「今回の粛清を好ましく思っていない人は多い。上が説明するように張の一派が『政変』を企てていたとして、もしそれが成功していたら暮らしはもっと良くなっていたかもしれない。生活が良くなるのなら資本主義を取り入れてもいいではないか」(両江道の労働者)。

「物事が分かっていない連中は、上の言うことを真に受けて『そうか、張が悪いことを続けていたために我々の生活が苦しかったんだな』なんて言っているが、張は国を開放しようとしたから殺されたんだと考える人が少なくない」(両江道の主婦)。

「(政権に対する)陰口を叩いているよ。それから、戦争が起きたら、皆逃げ出すだろう、中国に逃げて朝鮮は空っぽになってしまう、だから統制を強めているのだと話している。ここの人たちは灯りすら見ることがないんです。電気なんかないんです。カラスみたいな暮らしですよ。どんどん生きにくくなっている」(咸鏡北道の都市住民)。(了)
「粛清の嵐」吹かせる金正恩. 記事一覧

※本稿は、「北朝鮮内部からの通信・リムジンガン」第7号の特集「揺れた金正恩の三年  唯一独裁確立と張成沢粛清を振り返る」の一部企画からの転載です。張成沢粛清関連の詳しい内容は「リムジンガン」7号をご覧ください。

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