＜北朝鮮内部からの通信・リムジンガン＞奪われるために働く農民たちの悲惨～農業担当幹部秘密インタビュー（１） 黄海道飢饉を詳細証言
キム 多くの農家を訪問しました。釜に蓄えてあった食糧を見ると、それがいったい何だか分からない、畜生も食べないような代物が少しあるだけ。服もぼろぼろでした。
死人がたくさん出ましたよ。ある地区の診療所長に聞いたところ、1月から3月末までの期間に、年間の死亡者の3倍が死んだ。その数は人口の2パーセ ントを超えたとのことでした。平年と比べ、20倍の死亡率だと言っていました。溜まった死体は郊外に穴を掘って棺もなくどんどん埋めていました。
人肉事件の話にも多く接しました。黄海南道全体で12年の3月末までに、41人が人肉事件で逮捕されたと、知人の保衛部員に聞きました。豚肉と偽って死人の肉を売ったり、あるいは殺して食べたりしたのです。
農村では家とトウモロコシ10キロを交換する人が出るほど逼迫した状況でした。いずれも前年の春にはまったく見られなかった光景です。（続く）
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※当記事は、『北朝鮮内部からの通信「リムジンガン」第７号』に掲載されています。
