◆一般の人びとはISをどう思っていますか?
ハッサン:普通の人びとはISを受け入れていないと思います。とりわけ、ヨルダン人のパイロットを焼殺し、日本人人質を殺したりしたあと、人びとは特に嫌いになったと感じます。
◆日本人人質について、テレビのニュースなどで見ましたか?
ハッサン:インターネットや、テレビなどで知りました。電気はないですが、発電機を回して、時々テレビを見ていますから。ISが日本人人質に対しておこなったことについては、住民は怒っていたと思います。そして、ヨルダン人パイロットを焼き殺したことは、その怒りをさらに増幅させるものとなりました。
◆周囲の人びとのあいだで、日本人や日本に対するイメージは?
ハッサン:私や若いシリア人にとって、日本は以前もいまも良いイメージを持っています。発展した平和な国。行って、勉強して、いろんなことを学びたいと、昔自分も夢見ました。しかし、残念ながら戦争で、それも叶わなくなりました。
◆2年前の8月、化学兵器があなたの地区で使われ、多くの住民が亡くなりましたが、被害者は現在どういう状態におかれているのでしょうか?
ハッサン:よく分らないのが現状です。例えば、3人の妊娠していた女性の子どもに後遺症が出たという話を聞きましたが、それが化学兵器のせいかどうかは分かりません。連日の戦闘や空爆の犠牲者で、そうした調査に手が回らないと思います。
◆世界では多くの人がISについて注目をしていますが、あなたはダマスカス近郊にいて、困難に直面している。この状況をどう思いますか?
ハッサン:世界の人びとが、ISに注目している中、ここで2年のあいだに起きたことが忘れられていると感じます。ここでは政府軍によって、たくさんの人が命を落とし、子どもも死んでいる。
1週間に200人が死んだこともありました。でもだれも関心を寄せませんし、ここでいったい何が起きているかさえも知らないでしょう。私たちのことも関心を寄せてほしいと心から願います。
(了)