APN_080714_yoshida_0004◆なぜ、必要なのか

それでは何を議論すべきなのかまず、そもそもなぜ必要なのか。説得力ある説明がなされたかという疑問が最初に浮かんできます。本当に必要なのですかという問題です。

よく例に挙げられるホルムズ海峡。自衛隊がわざわざ出かけて機雷掃海することが本当に必要なのかということに対して、字面をなでるだけの説明に終始 しています。具体的にどうなったら、そこまで明白な危険があると言えるのか、ほとんど説明していないのが今日までの議論の流れではないかと思います。

また、従来から尖閣の問題を解決するためには集団的自衛権が必要だ言っていました。ところが、「尖閣は日本の領土です」と言っているのですから、集団的自衛権はいりません。尖閣問題を集団的自衛権の場面で持ち出すのは理論的には破綻しています。

「アメリカは守ってくれないかもしれない。だから自衛隊が一歩踏み込むのだ」と言う政治家もいます。集団的自衛権の問題に自衛隊が一歩踏み込むことで、日本の防衛にアメリカをもっと積極的に関与させようという考え方です。

これは卑屈な考え方でして、日米安保ではアメリカが日本を防衛する見返りに、広大な土地を提供し、莫大な援助も行っています。それに加えて命も出す のかという問題になりますと、日本の方が過重負担になります。そうでなければ守ってくれないのではないかというのなら、アメリカに不満をぶつければいいだ けの話であって、その負担を国民に対して負わせるのは筋違いではないかと思います。

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