◆個々の自覚促す憲法前文

今、憲法が変えられようしている瀬戸際にあるわけですけれども、日本国憲法というのは、先の戦争の反省を踏まえて書かれました。もちろん憲法9条もそうで、戦争はもうしないと、軍隊を持たないということをはっきりと書いたわけですし、大変素敵な憲法だと思っています。

私が一番素敵なのは、この憲法の前文だと思います。憲法の前文を全部読む時間はありませんが、前文の一部にはこう書いてあるんです。

『政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言する』

政府なんかに任せておいたら、また戦争してしまう。だから、自分たちがそれを防ぐんだ。そのためにこの憲法を確定するということを書いてる。自分た がやるんだと、一人ひとりが大切なんだということを憲法の前文が言っているわけです。大きな流れというのは確かにありますけれども、でも一人ひとりがき ちっと決意をして、これからの日本をつくるという、その宣言になっているわけです。でも残念ながら、今の日本というのはそのようには動いていないように、 私には見えます。どうでもいいようなことと、この世界には本当に大切でみんなが気を付けなければいけないと思うことがあると、私は思います。
(終わり)

※小出さんの音声をラジオフォーラムでお聞きになれます。

「小出裕章さんに聞く 原発問題」まとめ

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