迷惑なのは市民である。
目下の最大の関心事は9月3日に予定されている戦後70周年の記念行事。中国はこの日を、日本を破った日と散々喧伝してきたが、今年は世界の反ファ シズム戦争に勝利した日と位置づけた。何かと周辺国との軋轢を生んでいる今だからこそ、戦後の国際秩序を創った貢献者であることを世界中に主張したいので ある。

週末、軍事パレードの予行演習が行われた。国の鼻息は荒い。が、市民にはいい迷惑である。本番でもないのに、式典の会場となる天安門広場につながる北京を南北に分けるメインストリート周辺は、土曜から交通規制。規制は翌日まで続き、厳しい時には人の横断も許されない。

稼ぎ時に飲食店は臨時休業を強いられる。自由の国アメリカを象徴するハンバーガーチェーンでさえもこの国の命令には従わざるを得ない。

結集した最新兵器は、夜が明けると白日の下に姿を晒した。排気ガスと金属が軋む音を上げなら鉄の塊が一般道を走り去って行く。その異様な光景を誇らしげに思う国があることに寒気さえ覚える。
人々の生活にはお構いなし。国の都合で問答無用の服従を要求する。実にこの国の本質を見た気がする。