◆いつ捕まったのか? その時のことを聞かせてほしい。
モハメッド: 今年の1月だ。クルドのペシュメルガ兵と戦う前線にいた。彼らは同じイスラム教スンニ派だが、ISは彼らを背教徒であり、敵とみなしている。戦闘中、大きな空爆があった。自分は側溝のある水の中に2日間、ずっと隠れていた。だが見つかって捕まった。その時、応戦して死ぬとか、自決することが自分には出来なかった。家族の顔が一瞬、頭をよぎり、幼い子どもの面倒を見なければ、と思ったからだった。
◆ことし2月に人質の日本人2人が斬首されて殺害された。 知っていたか? これをどう思うか?
モハメッド:その事件は知らないし、日本について何も考えはない。ただ、彼らがイスラム教徒にならないのであれば殺されてもしかたない。ISが「日本も敵だ」と言えば、自分も敵とみなすだろう。通常、上官や指導者バグダディ師が殺せといえば、皆、命令に従わなければならない。自分は彼らがイスラム教徒であれば殺さないかもしれない。でも日本人の多くは仏教徒らしいし、アッラーを信じていない者たちだ。敵とみなせば殺すこともいとわない。
◆現在、モスルでは携帯電話、地上電話、インターネットがISによって遮断されているため、IS地域内の人たちとコンタクトをとるのは厳しい状況だが、家族が恋しいと思わないか?
モハメッド:家族は、もちろん心配しているはずだ。すでに死んだと思っているかもしれない。でも、戦闘員は死んでも、殉教者の家族にはこれまでと同じ金額の給料が毎月支給されるので、妻や子どもたちは元気に暮らしていると思う。
◆ISに参加したことを後悔してはいないのか?
モハメッド:いや、後悔はしていないし、間違っていないと思っている。ISは真理であり、素晴らしい組織だといまも信じている。最後に言いたいことは、私は日本人も含めて、すべての人たちがISに入ることを願っている。現在、ISが拡大していることを嬉しく感じている。(了)
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