イラク シリア 中東地域 IS戦闘員インタビュー 〔イラク〕第2部「イスラム国」(IS)戦闘員インタビュー(3)「ISの敵は殺す。それが真理だ」(3/3) 2015.08.12 玉本英子 ペシュメルガによる砲撃でもモスル市内の一般市民が犠牲となっている。また米軍主導の有志連合軍の空爆はモスルのIS拠点にも行われているが誤爆や近隣住宅への被害で民間人の被害もあとをたたない。さらにISが標的とされにくくするために、意図的や病院や小学校近くの施設に軍用車両や武器庫を置くなどしている。ISはこうした民間犠牲者の映像を頻繁に公開し、「住民殺戮」と激しく非難している。双方からの攻撃で逃げ場のない住民が犠牲になっている。(モスル・IS映像)ことし1月に日本人人質2人を処刑したIS。だが元戦闘員モハメッドは、「日本人でも敵とみなせば殺す」と話した。これまで中東では概して日本人には好意的な印象がもたれていて、それはいまも変わらない。だが少なくともIS戦闘員内部では「自分たちに敵対するなら日本人であろうが殺す」と言う意識が持たれ始めているようだ。(IS映像)IS支配になっても、住民生活は続いている。キリスト教徒やクルド人などはあいついで脱出したが、逃げることの出来ない一般住民は、その支配地域で生きていかなければならない。モスルは停電続きだったが電気供給も改善され、スンニ派イスラム教徒としてIS支配を受け入れれば厳しいながらも、一応は生活は成り立つ。だがいつスパイとされるかわからない恐怖や空爆の懸念などが消えるわけではない。携帯電話は、スパイを警戒するIS当局が厳しく統制し、いまも多くのキャリア回線が遮断されている。写真は、モスル市内でISのイスラム規律などを告知するビラを市民に配布するようす。宗教警察ヒスバはイスラム社会規範から逸脱する行為を取り締まリ、金曜日の礼拝時には商店はいっせいに営業を中止しなければならなくなった。また、最近では男性はイスラムひげを生やすことが義務付けられる公布が出されたという。(モスル・IS映像) <IS戦闘員インタビュー>記事一覧 <玉本英子のシリア報告><玉本英子のイラク報告> 1 2 3 4 Facebook postはてブLINEPocketFeedly