南北朝鮮間の軍事的緊張は、25日に北朝鮮側が地雷爆発に対して遺憾を表明し、再発防止を約束したことでひとまず緩和した。だが北朝鮮内部では、「韓国側の謝罪で妥結した」と、住民たちに宣伝している模様だ。 (ベク・チャンリョン)
26日、北朝鮮北部に住む取材協力者は、アジアプレスとの通話で、今回の南北会談に関連して内部の状況を次のように伝えてきた。
「人民班や職場では、米国と南朝鮮の奴らが先に軍事挑発したが、その過ちを謝りたいというので南北協議が妥結し、準戦時状態も解除された、と住民に知らせている」。
さらに、この取材協力者は
「準戦時状態の解除によって、非常召集訓練を行っていた民間武力の『赤衛隊員』らも26日を最後に訓練が終わった。 しかし、『教導隊』と軍人らは、あと一週間、警戒態勢にあるようだ」
と付け加えた。
※教導隊:正規軍歩兵レベルの装備と編制を備えた組織で、民間軍事組織のうち最も大きな集団。 韓国の予備軍に該当する。
また、会談内容について北朝鮮メディアの報道はどう伝えているか、という質問に対して取材協力者は
「電気が全く来ていないのに、どうやってテレビを見るのか」
と反問し、
「電気は祝日にしか来ず、仮に来ても電圧が弱くて、まともにテレビが見られない」
と、困難な電気事情を強調した。
※アジアプレスでは、中国の携帯電話を北朝鮮国内に投入して内部事情を取材している。