◇咸鏡北道で調査
北朝鮮各地で、今年に入って干ばつや水害が繰り返されているが、アジアプレスでは、、住民の生活用水の実態調査を北部の咸鏡北道会寧(フエニョン) 市で実施した。その結果、水道水がまともに供給されていないだけでなく、その水質が飲用にまったく適さないほど劣悪で、発ガン物質まで混ざっていることが 分かった。(カン・ジウォン)
咸鏡北道会寧市の水道水の事情を調べたアジアプレス取材協力者は、8月30日の電話で「食糧に劣らずに飲用水事情も非常に深刻だ」として、次のような報告を伝えてきた。
「水源池の管理がまともにできていないうえ、水道管の老朽化で真っ赤な錆色の水が出たり、ひどい消毒薬の匂いがする水が供給されている。
しかも(電力難で)水圧が弱く、アパートの3階以上に住む人々は、1階まで降りてきて水を汲んでいくしかない。そんな水道も一日に1、2時間ほどしか出ない。最近の水質調査で、腫瘍成分(※発癌物質の意)が出たが、国からは特別な対策もなく住民はそのまま飲んでいる」
と衝撃的な実態を伝えた。
北朝鮮の水不足と水質悪化は昨今始まったことではなく、住民たちの不満は以前から絶えなかった。
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