市場で米を売る住民たち。売り場には様々な種類の穀物が豊富に並ぶ。右端にある米はキロ4900ウォン。2013年9月咸鏡北道清津(チョンジン)市。撮影アジアプレス
市場で米を売る住民たち。売り場には様々な種類の穀物が豊富に並ぶ。右端にある米はキロ4900ウォン。2013年9月咸鏡北道清津(チョンジン)市。撮影アジアプレス

 

国による配給システムが麻痺してしまった北朝鮮で、住民たちの暮らしを具体的にのぞき見できるのは、市場の物価だろう。かなり以前から北朝鮮当局は基礎食 料品の生産と流通に対する統制力を失い、市場の需要と供給によって価格が決定されるようになった。 8月末、北部の咸鏡北道茂山(ムサン)郡に居住する取材協力者が、市場価格を調査し報告してきた(整理ペク・チャンリョン)

この協力者によると、8月末現在、外貨の実勢交換レートは、1中国元=1200ウォン(約19円)、1米ドル=8200ウォン(約120円)だった。

8月時点の、茂山郡の市場の代表的な食料品価格を記す。今年5月に両江道の恵山(ヘサン)に住む内部協力者が送ってきた食品価格を比較して提示する。
両地域は中国に接する国境都市だという特徴がある。

 食品名 (1Kg)  咸鏡北道茂山郡 (8月末)  両江道恵山市(5月中旬)
 米  5,600ウォン  5,040ウォン
 トウモロコシ  1,800ウォン  2,400ウォン
 塩  1,100ウォン  1,000ウォン
 油  13,000ウォン  10,200ウォン
 豚肉  18,000ウォン  12,000ウォン
 ダイコン、白菜  1,200ウォン
 トウガラシ粉  24,000ウォン

※参考  7月末当時、調査した北朝鮮鉄道労働者の月給は、一番下の2級の場合は1,080ウォンで、最上級の7級は1,900ウォンほどだ。

豚足を売る女性たち。生のものもあれば、茹でられたものもある。2013年9月咸鏡北道清津(チョンジン)市、水南(スナム)市場で。撮影アジアプレス。
豚足を売る女性たち。生のものもあれば、茹でられたものもある。2013年9月咸鏡北道清津(チョンジン)市、水南(スナム)市場で。撮影アジアプレス。

 

今年の春と8月を比較してみると、、収穫期に入ったトウモロコシが20%以上下落した他は、10%程度上昇している。

北朝鮮の中南部地域とは違って、北部の国境地域は稲作が少なく、住民の多数がトウモロコシを主食にし、そこに白米を少し混ぜるやり方で食事を解決している。 トウモロコシ価格の下落で、当面、北部地域の住民たちの食糧事情は落ち着きを見せるだろう。

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