今後行なうべきプロセス
信頼構築に関連して行なうべきこと
第二四条 (A)政府は、いかなる個人もいかなる組織も、法に違反する場合を除き、この停戦協定締結と和平プロセスに関連する事柄に参加・関与したことを理由に拘束・処罰をしないことに合意する。
(B)この協定に調印した民族武装諸組織すべてを非合法組織として宣言していることの取り消しを継続することに合意する。この協定に調印した者に関連を持ついかなる個人もしくはいかなる組織も政党登録法によっても非合法団体法によっても処罰しないことに合意する。
(C)国家として、この協定に調印した時点に存在する、民族武装諸組織と関わりを持ったという容疑で、非合法団体法によって起訴されている者及び収監されている者を釈放するにあたり、法律に則って行なうことに合意する。
過渡期の行動計画
第二五条 (A)この協定に調印した民族武装諸組織が、各自の組織に関連する停戦地域内での開発及び治安に関する事項において、その組織の対応可能な範囲 で責任を担っている組織であることに相応しいかたちで、停戦した後、和平対話を実施している期間は、同地域において、双方が協議のうえ、次のことを行なっ ていくことに合意する。
(1)住民の保健・教育・社会・経済に関連する基本的開発事業。
(2)自然環境保護関連事項。
(3)民族の言語、文芸及び文化の保存と発展に関連する事業。
(4)地域の安定と平和、法の支配に関連する事項。
(5)地域開発及び能力開発事業のための国内外の援助団体による支援受け入れに関する事項。
(6)麻薬撲滅事業。
(B)停戦地域内の地域住民に対する影響の大きいプロジェクトを行なう場合は、採取産業透明性イニシアティブ(Extractive Industries Transparency Initiative - EITI)の手続き通りに、地域住民と協議して行なっていくこと、及び当該民族武装組織と協議のうえ実現していくこと。
(C)当該地域において個別の組織で別個に行なう必要がある事項を、政府と当該民族武装諸組織が協議して行なっていくことに合意する。
連邦議会承認のための提出
第二六条 この協定を手続きに従って連邦議会に提出し、承認を受けられるよう、進めていくことに合意する。
雑則
第二七条 この協定の範疇に該当しない事柄が生じた場合は、民族武装諸組織は、政府とあらためて協議し、この協定の基本原則と乖離しない限り、協議のうえ合意を形成することができる。
第二八条 この協定をミャンマー語で作成し、英語に翻訳しなければならない。ミャンマー語も英語も公式なものとして同等であるが、用語をめぐる紛争が生じた場合は、ミャンマー語で書かれた用語の方を採用することに合意する。
第二九条 全土停戦協定を実現するにあたり、成功裡に達成できるよう、調印に参加する国家政府及び民族武装諸組織が共同で責任を担い行なっていくこ とに合意する。そうした実現を図るなかで直面する障害を解決できるよう、双方の代表が参加する"全土停戦協定実現調整会議"を定期的に開催し、解決してい くことに合意する。
第三〇条 全土停戦協定の各協議において双方が合意した決定事項のうち、参照すべき決定事項は、この協定を実現するにあたり、有効であり、双方が協議のうえ、適宜行なうことに合意する。
調整による解決
第三一条 (A)この協定にある遵守すべき責任、規則に関して、対立が生じたならば、当該組織は、平和的に協議するという方法を基礎に解決しなければならない。
(B)第(A)項に基づき解決を図っても解決できない場合は、全土停戦協定実現調整会議に諮り、調整し解決していく。
合意内容の発効
第三二条 この協定は、双方が調印した日より、発効することに合意する。この協定の実現について調査が必要な場合は、双方が協議のうえ行なうことができる。
協定の調印
第三三条 ミャンマー連邦共和国政府と民族武装諸組織との間で締結する全土停戦協定に二〇一五年一〇月一五日に双方が調印した。