アジアプレスの石丸次郎が8月に豆満江中流の吉林省龍井市の三合鎮を訪れたところ、携帯電話がまったく通じなかった。対岸は北朝鮮の咸鏡北道会寧(フエ リョン)市である。三合鎮の住民は「数年前から始まった北朝鮮側による妨害電波がひどくなり、昨年からはほとんど携帯電話が使えなくなった。中国側が抗議 しても、北朝鮮はまったく聞き入れないということだ」と石丸に話した。
2014年2月25日、朝鮮労働党の第8次思想担当幹部大会(思想統制担当の幹部会議)で演説した金正恩氏は次のように演説している。
「敵が粘り強く押し入れて来る資本主義の毒素が私たちに入らないよう、蚊帳を二重三重でしっかり張り、帝国主義の思想・文化的浸透策動を水の泡に帰すための主動的な作戦を展開しなければならない」。
この会議の報道が出て以降、朝中国境での中国キャリア携帯電話に対する取り締まりは数段厳しくなったというのが、私たち取材チームの実感である。金正恩氏の直々の指示によって、「蚊帳がしっかり張られた」というのは間違いないだろう。
中国の長白県に及ぶ深刻な電波障害は、10月10日の党創建記念日までの特別措置なのか、あるいは恒常化を目指すものなのかは、現時点で不明である。
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