映像には、団体で遠足に来た中学生たちの弁当からこぼれ落ちた食べ物を拾って食べる若い男性の姿が見える。同じ場所では、結婚記念撮影のために高級車ベンツに乗ってやって来た富裕層カップルの姿も見える。
平壌市郊外のある山の中。おばあさんと10才だという孫が防空壕に隠れて生活している姿もカメラは捉えていた。憔悴した姿の2人は、ホームレス収容施設に入れられるところを、なんとか山に逃げて来たという。
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映像を撮影したク・グァンホの説明によれば、地方のコチェビとは違って、平壌ではコチェビは昼間に街を安心して歩き回ることができない。捕まれば収容施設に入れられてしまうためだという。
このおばあさんは、
「路上生活者が収容施設から逃げるのは、施設の環境が監獄と大差がないためです」
と証言する。北朝鮮内部の他の協力者からも
「路上生活者の収容施設では食事をまともに与えられず餓死者が出ている」
と実態を伝えた。
このように「美しい首都平壌」の宣伝の一方で、飢えに耐え、当局の取り締まりを逃れてかろうじて生きているコチェビたちの姿は、平壌に住む者だけが目にすることのできる、この都市の現実なのである。
※整理者のペク・チャンリョンは平壌居住経験がある。
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