COP21のプレスセンター 日本からも大勢の記者、取材クルーが入っている(アイ・アジア)
COP21のプレスセンター 日本からも大勢の記者、取材クルーが入っている(アイ・アジア)

 

一般に温暖化防止国際会議と訳されるCOP21が11月30日からパリで始まる。各国は会議冒頭に首脳がフランス入りしてそれぞれの取り組みをアピールす ることにしているが、97年の会議で京都議定書を採択した議長国であった日本の存在感はほとんど見えない。日本への注目度も低く、各国首脳が順番に行う演 説でも、安倍首相に用意されたのは注目度の低い時間帯となっている。(パリ/アイ・アジア編集部)

会議を主催するUNFCCC(国連気候変動枠組み条約会議)の事務局は、11月26日付で各国首脳が行う演説時間を発表した。それによると演説はフランス時間の正午から始まり、最初のスピーカーは米国のオバマ大統領や中国の習近平主席らが行う。

それぞれの持ち分は5分。「世界中から集まるマスコミの関心がこの時間に集中する」と匿名を条件に取材に応じたUNFCCC事務局員が話す。

日本からは安倍首相自らが参加し日本の取り組みを世界に印象付ける機会にするとしており、現地入りしている日本の大手メディアは安倍首相の演説を大きく取り上げることは間違いない。

ところが、安倍首相の演説の順番を見ると、オバマ大統領や習近平主席の時間帯が終わった後に休憩をはさんで行われる第二部で、順番は40番目となっている。

これについて前述のUNFCCCの事務局員は、「第二部は正直言って、注目度がぐっと下がります。すでに日本は温暖化防止をリードする国というイメージはもたれていませんし、国際的な発言力も弱まっていますから、注目するのは日本のメディアの方々だけでしょう」と話した。

日本は今回の会議で、温室効果ガスの削減目標を、2013年度を基準に26%にする取り組みの詳細を発表するものと見られる。これについては、そもそも2013年を基準にして下げても意味は無いという批判がある。

また、温室効果ガス削減の目玉としているクリーンコール(石炭)エネルギーについても各国NGOから厳しく批判されている。長くこの問題を追及して きたNGO「気候ネットワーク」の平田仁子理事は、「きれいな石炭火力発電なんてまやかしなんです。既に、アメリカ政府はその事実を認めて自然エネルギー による電力供給体制にシフトしようとしています。日本は結局、産業界の言いなりなんです」と話す。

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