傷ついた子どもの傷の回復のために
冷戦後の戦争に巻き込まれた子どもたちは、朝起きて水を汲みに行く際に、クラスター爆弾の不発弾を爆発させてしまうかもしれないし、通学途中に路肩爆弾が炸裂する危険にさらされる。

学校に無事着いたとしても、級友や教師は戦乱を逃れていないかもしれない。授業を受けることができても、攻撃されるおそれがある。学校帰りに遊んだり、農作業を手伝ったりしているときにも地雷の危険にさらされる。

戦闘が激しければ、家を失い、安全な場所を求めて逃げ出さなくてはいけない。親や親しい人が目の前で虐待・殺害されるのを目撃することも珍しくない。戦争の傷を負って生まれてくる子ども、死んで生まれてくる子ども、生まれながらに「敵」視される子どももいる。

戦争によって社会基盤が破壊されると、子どもも大人も厳しい状況に追いやられる。そのような状態にあって、大人は子どもを十分に保護することができ ない。それどころか、被害のしわ寄せを弱い子ども、それも、社会的により弱い立場におかれる女の子や孤児、乳幼児、病児、障害児らに押し付け、子どもの尊 厳を踏みにじり、生命までを搾取する大人もいる。
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