◆キャンドルに願いを託し
土曜の夕方は旧第1ゲート前にキャンドルがともる。大浦湾沿いの集落、名護市瀬嵩の渡具知武清さん一家を中心に12年前から毎週取り組まれてきた「ピースキャンドル」だ。ゲート前でロウソクを手に立ち、道行く車に手を振り、辺野古の海を守ろうと呼びかける。

ピースキャンドル。この日は、辺野古の現実を世界に伝えるため来沖した「グリーンピース」のメンバーも一緒にゲート前に立った(沖縄県辺野古で11月撮影・栗原佳子)
ピースキャンドル。この日は、辺野古の現実を世界に伝えるため来沖した「グリーンピース」のメンバーも一緒にゲート前に立った(沖縄県辺野古で11月撮影・栗原佳子)

 

久しぶりに一緒にロウソクの灯りの前に立つと、道路の向かい側で、Sさんが夥しい数のキャンドルをセットしていた。ゲート前での反対運動のリーダー、山城 さんが4月に入院した。そのとき「自分にできることを」と考え、「ピースキャンドル」が終了する午後7時以降を引き継ぐかたちでライトアップすることにし たという。

土曜日の夜はピースキャンドルに呼応して「カジマヤーキャンドル」がともる。三線の合奏がおこなわれていた(沖縄県辺野古で11月撮影・栗原佳子)
土曜日の夜はピースキャンドルに呼応して「カジマヤーキャンドル」がともる。三線の合奏がおこなわれていた(沖縄県辺野古で11月撮影・栗原佳子)

 

ペットボトルを利用した手作りキャンドルは97本。名づけて「カジマヤーキャンドル」。沖縄の97歳の長寿の祝い「カジマヤー」にちなんだネーミングだと いう。LEDを使ったオリジナルのキャンドルを黙々とセットし終えると、ほのかな明かりの下で、Sさんはカンカラ三線をつま弾き始めた。午後9時を回ると こんどは黙々と撤収作業。終了後はテントで休息するのかと思いきや、「これから仕事」だと屈託のない笑顔を見せる。夜勤で朝まで勤務だと言う。

私は強く思った。このような一人ひとりが担う闘いが、負けるわけがないと。(了)

 

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