北朝鮮のどの街の市場に行っても、コメや農産物は大量に売られている。一方、政府は穀物を確保できず、食糧配給をできないまま20年が過ぎた。今の北朝鮮では、市場に行けばいつでも、いくらでもコメを買うことができる。
それでは、市場に並ぶコメは、誰が、どのようにして生産地から都市に運ぶのだろうか?その役割を担っているのは、「テゴリクン」と呼ばれる都市貧民たちである。「テゴリ」は北朝鮮でよく使われる「転売」を意味する言葉で、「転売する人」は「テゴリクン」と呼ばれる。
北朝鮮の重要穀物生産地である南西部地域では、収穫期になると農村から都市を結ぶ道に食糧を運ぶ「テゴリクン」たちが並ぶ。重いコメを運ぶ苦しい商売であ るのに大した収入にならないため、「『テゴリ』をやっているのは都市の貧民たちだ」と、取材者のキム・ドンチョルは言う。
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