R:事故の前からサブドレインはあったのですね。
小出:そうです。今、事故が起きまして、たくさんの放射性物質を周りにすでに噴き出させてしまい、敷地全体が汚 れているわけですし、熔け落ちた炉心もどこにあるかわからないという状態になってしまっています。敷地の中のあちこちに井戸があるのですけれども、海側の 井戸では、原子力発電所から環境に流すことが法令で許されている濃度の何万倍、あるいは何十万倍というような猛烈な濃度の汚染水が出てくるというようなこ ともあるわけです。
ただし、汚染の濃淡はあります。猛烈に汚染されている井戸もあるし、そうでもない井戸もあるということです。そうでもない井戸の水はなんとか汲み上 げて、海へ流したいと思っているわけです。ただ、簡単には流せないので仕方がないから浄化装置を通してきれいにしようという試みなのですね。
でも、本当に環境に流していいと法令が決めている濃度以下にできるかどうかということも、やってみないとわからないということだと思います。いずれ にしても、毎日、千何百トンもの地下水が流れてきているわけですし、そのうち300トン、400トンというのは原子炉建屋の中にすでに侵入してしまって、 猛烈な放射能汚染水になっているわけです。今後も本当に大変な作業が続くと思います。
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