金正日の現地指導に随行した張成沢(右側の背広姿)は、緊張した面持ちで付き従っている。中央に金正恩の姿もある。(2010年10月26日付、朝鮮中央通信より引用)
金正日の現地指導に随行した張成沢(右側の背広姿)は、緊張した面持ちで付き従っている。中央に金正恩の姿もある。(2010年10月26日付、朝鮮中央通信より引用)

北朝鮮で生まれ、金日成、金正日統治下で育った者には、最高指導者の前でポケットに手を突っ込み(その様に見える)、顔に余裕満々の笑みを浮かべる側近の姿など想像したこともなく、その「不敬な態度」に驚愕した。

この写真の後ろには、金正恩だけでなく、「二人を見守る」幹部たちの姿が写っているが、彼らの胸中は複雑だったはずだ。想像もできない不遜な態度をとって憚らない張成沢を見て、「われわれは張の後ろに並ぶべきだ。取り入って権力の分け前にあずかって出世しよう」と羨み計算した者もいたはずだし、張成沢の台頭に嫉妬と警戒と反発を心に刻んだ者もいたに違いない。

張成沢の「傲岸な」姿が北朝鮮国民や海外メディアの目に触れたことは、金正恩にとっては不利益となったはずだ。
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