だが、環境省会計課から入手した発注仕様書によると、「検討会の委員(7名程度)は、環境省が指名する者とする」と委員構成まで環境省が決定してお り、請負者に権限がない。自治体や事業者に対して実施するという調査やその調査結果のとりまとめなどでも、「環境省担当官と調整の上」実施することになっ ており、すべての事項に環境省の関与が色濃い。

形式的には委託事業だが、実質的には環境省による検討会の実務が外注されたといってよく、やはり検討会の存在自体を秘密にしてきたのはおかしいといわざるを得ない。

委員構成もひどかった。

計7人の委員のうち、自治体関係者が4人と過半数を占めるうえ、建設業界関係者が2人と複数入る。実際に現場で住民から支援を求められて行政や事業 者とのリスクコミュニケーションを実践しているNPO(非営利法人)職員は1人だけ。当事者の住民やリスクコミュニケーションの専門家はゼロである。

ひどい現場では自治体が事業者寄りの発言を繰り返すことはめずらしくないのだが、これで公平な議論が確保されるのだろうか。

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