しかも、中3が受ける「全国学力テスト」を使った内申点調整を文部科学省が禁じたため、府教委は来年度から中3も対象とするという。
統一テストの結果を内申点に反映している例は大阪以外にない。「テストの点数と競争」を重視する教育行政に対して、現場では戸惑いと不安の声が広がっている。
中学2年生を担任している教諭(54)は「今後、ますます点数教育に拍車がかかり、子どもの理解度に合わせて授業を進める本来の教育が見失われていくのでは」と話す。
昨年度のチャレンジテスト予算は1億7000万円。業者に丸投げで、同教諭は「今回は教科ごとの難易度の差がありすぎた」と指摘する。
「はっきり言って、こんなテストを続けたら『お前が受けたから学校の成績が悪くなった。テストの時は休め』などといういじめが起きるかもしれませ ん。府教委は「維新」ではなく、子どもの実態に目を向けるべき。貧困にあえぎ、食べるものも食べられず、学ぶ意欲をなくしている子どもたちが増えていま す。その子らが意欲を失わないような教育行政を行うべきです」【矢野 宏/新聞うずみ火】