暖冬と言われながら記録的な大雪に見舞われるなど、これまでになかった気候の変化が日本列島を覆っている。そうした中、今も大量の汚染水が流れ出ている福島第一原発。こうした気候の変化に対応できているのだろうか。元京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さんに聞いた。(ラジオフォーラム

京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さん
京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さん

ラジオフォーラム(以下R)2013年に2つの台風が福島を通ったために、台風対策は講じられていると言われていますが、大雨や大雪についての対策というのはどうなっているのでしょうか。

小出:まず基本的なことから聞いて頂きたいのですが、福島第一原子力発電所の原子炉1号機、2号機、3号機の核 燃料が熔けてしまいまして、今どこにあるかわからない状態です。仕方がないので、とにかく水をかけて冷やそうということをして、原子炉建屋の中にある原子 炉の中に水を送り込んでいるのですが、原子炉建屋そのものが、すでに2011年3月11日の巨大な地震であちこちにひび割れが入っているのです。

そのため地下水も原子炉建屋の中に流れ込んでしまって、人為的に注入している水と混然一体となって汚染水が膨れ上がってきているのです。その一部は 「回収しながら浄化をしている」と東京電力は言っているわけですが、浄化の程度もきちんとはできていません。地下水が流れ込んでくる分だけはどんどん増え てしまって、地上にタンクをつくって貯めているという状態なのです。

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