R:福島第一原発の敷地には確かにものすごい数の貯蔵タンクが置かれていますね。
小出:実はそれだけでは済みません。原子炉建屋がひび割れているということは、流入している分とともに、流れ出 ていってしまっている分もあるわけです。そのため福島第一原子力発電所の敷地の中のいわゆる屋外の井戸ですけれども、そういう井戸の中の水も猛烈に汚染さ れてしまっているという場所があるのです。
つまり、私自身は福島第一原子力発電所の敷地全体が、濃い薄いはありますけれども、放射能の沼のような状態になってしまっていると思いますし、そう 発言してきています。そして福島第一原子力発電所の敷地の中に流れ込んでくる地下水の一部は、原子炉建屋の中に流れ込んできているのですが、そうではなく て直接海へ流れ出してしまっているものも大量に、毎日600トンぐらいはあると思います。それが放射能の沼のような状態になっている敷地を通って海へ流れ ていっているわけですから、もう元々どうしょうもない状態になっているのです。
R:まとまった雨が降るたびに汚染水がどんどん出ていくという可能性は今後も続くのでしょうか。
小出:9月9日の台風でも大量の汚染水が流れ出たはずです。原子炉建屋の周辺の水を受ける排水溝があって、それ が港湾の外に直接流れ出てしまっているのですが、東京電力はあまりにも格好が悪いということで、出口の所にポンプを設置して、別の排水溝に流してきたので す。ではその排水溝の水はどうなっているかと言えば、ただ港湾の内側に流れていっているというだけであって、結局は海へ流れてしまうのです。
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