R:残念ながら今、東京の新聞やテレビの方がとても扱いが小さかったり、あるいはほとんど報じない、 伝えないという状況になってきています。つまり慣れっこになってきているのではないかという危機感を感じているのですが、いかがですか。
小出:私も同感です。2011年3月11日に大きな地震と津波が起きて、福島第一原子力発電所が壊されてしまっ たわけですが、その日の夜、原子力緊急事態宣言というものが出されたのです。その緊急事態宣言というのは、実は4年半以上経った今現在も解除されていない のです。今は緊急事態だということで、従来あった被曝関連の法律も全てが反故にされてしまっていて、福島第一原子力発電所事故に関する限りは、法令を守る ことができないという状態が、現在も続いているのです。
R:緊急事態宣言が続いていることは忘れられがちですね。
小出:マスコミもきちんとそのことを国民に知らせるというのが一番の彼らの責務だと思うのですが、政府そのものが忘れさせてしまおうとしているし、マスコミも何か政府のやり方にグルになって乗っているように私は見えるのです。本当にこの国は困った国だなと思います。
※小出さんの音声をラジオフォーラムでお聞きになれます。