鳩山さんは「特に政治の世界に入ってから痛烈に感じるが、日本という国はいまも独立していない。その原点が戦後、アメリカの軍隊が存在し続けているという事実だ」とし、昨年の安保法制の議論、TPP、中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)などを例に挙げた。
「どちらがいいという以前に、アメリカが行くなといえば行かない。加わるなと言ったら加わらないというような政治的な決断しかできないような日本は、そのこと自体で、国益に合わないことがしばしば起きてしまっていると思う。昨年3月、クリミアに行き、メディアに叩かれましたが、私がクリミアに入った理由は、全て日本に流れてくるニュースはアメリカというフィルターを通してくるから。百聞は一見にしかずというが、見てみないとわからない。どちらが正しいのかということは、そう軽々に判断すべきではない」
アメリカに従属する一方で、中国や韓国に対しては「上から目線」。鳩山さんは「日本もアメリカも中国や韓国も対等という関係を作っていくことが重要。あまりにアメリカ寄りになっている日本の政治状況を、よりアジアにシフトさせるべき」だと強調した。
写真説明 大阪市で講演する鳩山元首相。普天間「県外移設」を断念するきっかけとなった問題の文書のコピーを手に語る鳩山さん(撮影・栗原佳子)