北朝鮮が1月に核実験、2月に「ロケット」発射を強行して、毎日のように北朝鮮関連ニュースが流れている。毎度のことだが、日本のテレビでは、北朝鮮のアナウンサーの大仰なしゃべり、「ロケット」発射場面、実験成功を喜ぶ平壌市民の姿が繰り返し映し出されている。
これらの映像の大部分は北朝鮮国営テレビの放送を拝借したものか、日本の共同通信、米国のAP通信の北朝鮮人カメラマンが撮影・配信したものだ(共同とAPの平壌支局には特派員常駐が許されていない)。つまり金正恩政権が外国に見せたい、見てほしい映像なのである。
核や「ロケット」開発を北朝鮮の人々は本当に喜んでいるのだろうか?私の所属するアジアプレスでは、1月の核実験以来、北朝鮮の庶民の本音を聞くべく「世論調査」をして来た。
方法はいたってシンプル。電話で直接質問するのだ。私たちは10年ほど前から中国の携帯電話を密かに北朝鮮各地に送っている。国境から2キロぐらい の地点までは中国の電波が届き、大阪にいながら北朝鮮の人々と直接通話することが可能なのだ。最近はスマートホンも投入してメールやチャットも使用してい る。
調査対象は約10人。労働者、農場員、元軍人、商売人、労働党の中堅幹部だ。北部地域の住民に限られ、数も多くなく調査として限界はあるが、「北朝鮮世論」の傾向は知ることができる。
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