市内ではライフラインが寸断されている。楼門倒壊の速報はテレビやラジオではなく、友人からのコミュニケーションアプリ「LINE」で伝えられ、5歳と1歳の幼子を抱いて駆けつけたという。

「私にとっては心の支えで、何かと助けてもらいました。立派な神社なので本当に残念です。下の子の七五三でもお世話になりたいと思っていますので早く復旧してほしいですね」

阿蘇市内では救援物資が足りていない。支援物資は県庁などに集まっているが、仕分け・搬出する職員やボランティアが足りないのと、熊本市との道路が寸断されているからだ。 矢野さんは「一番困っているのはミルクです」という。

「市役所に少しでも分けてもらえないかとお願いに行ったら、『店と交渉中です』と言われました。今は親戚に買いに走ってもらっています。ただ、水道もガスも止まっているからお湯を沸かすのもひと苦労です。家の中へ物を取りに行くと余震が起き、怖くて飛び出るの繰り返しです」

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