だが、16日未明から続く地震で商店街も大きなダメージを受けた。ライフラインが寸断したため、精肉店やケーキ屋などが冷蔵庫で保管していた食材がすべてダメになった。それに何よりも、神社の楼門などが崩壊してしまったのだ。
市内でも倒壊家屋が目に付く。神社前の酒屋も1階部分が押しつぶされていた。ただ、地震による直接死が出なかったことがせめてもの救い。
「阿蘇神社がみんなの身代わりになってくれたのかも」
と岩永さん。それだけに、「暗くなってもいいようには変わらない。俺たちが元気なのが恩返しだと思う」と気持ちを奮い立たせていた。
今回の取材中、何度も強い地震に見舞われた。先の見えない避難生活は始まったばかり。息の長い支援が必要だ。(おわり)