4月初旬、中国寧波市の北朝鮮食堂「柳京食堂」の支配人と女性従業員、計13人が韓国に亡命する事件があった。北朝鮮では、海外で 勤務できるのは体制への忠誠度が高いと評価された人たちだけだ。
北朝鮮歌謡を聞きながら朝鮮料理を楽しむ趣向のその店で、いったい何が起こったのか、詳細はまだ不明だが、「忠誠分子」の13人にとっても、北朝鮮に戻ることに耐え難い恐怖があったことだけは間違いないだろう。
逃避行の末に韓国に到着した時、彼女たちは心底安堵(あんど)しただろうが、離別することになった家族の身に降りかかるであろう災いを知らなかったはずはない。今、家族への心配と罪悪感で、心が折れそうになっているのではないだろうか。
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