賄賂と引き換えに規律違反を黙認するのは、乗務保安員(日本の鉄道警察隊員に相当)も同様だ。彼らは賄賂を受けとって人や荷物を列車に乗せるだけでなく、国家による様々な規制を金儲けの材料にしている。
切符を持っている乗客であっても、旅行証明書を持っていなかったり、旅行に必要な他の書類がきちんと揃っていなかったり、国家統制品を携帯していたりするのを見つけた場合、見逃す対価として賄賂を要求するのだ。
このように、賄賂と引き換えにした不正乗車や荷物の持ち込みが横行しているために、北朝鮮の列車はその貧弱な輸送能力に対して常に過積載の状態にあり、そうした負荷が、頻繁な故障と事故、列車の運行停滞につながる悪循環に陥っている。(続きを読む 2 >>)
※当記事は、『北朝鮮内部からの通信「リムジンガン」第7号』に掲載されています。