◆「サービ車」と三輪バイクタクシー
「サービ車」は、「稼ぎバス」と同様に運賃を取って人を運ぶ車のことだが、車種は様々である。トラックの荷台に人を乗せて運ぶ「サービ車」の場合、乗り心地が悪いために、バスに比べて運賃は安い。
こうした「サービ車」は、お金がない人や、時間に追われ「稼ぎバス」などの運行を待っていられない人々、バスが通っていない地域へ行く人々が利用する。
北朝鮮北部、中国との国境都市の恵山市では、2013年から三輪バイクのタクシーが目立つようになった。取材協力者から送られてきた内部映像を見ると、人々が三輪バイクのタクシーを利用する様子を容易にみつけることができる。
三輪バイクタクシーは主に市内および近郊で営業しているが、客の要望があれば長距離走行にも応じるという。もともとは荷物運搬用に当局に登録されたものだが、無許可で人を運ぶのが主流になっているようだ。
三輪バイクタクシーが人気を呼んでいるのは、本来の「人民の足」である国営バスの運行が麻痺しているためだ。三輪バイクタクシーの運賃はとくに定めはなく、市内の移動ならだいたい5000ウォン以下で利用可能だという。
次のページ:以下は、三輪バイクタクシーの運転手と客との値段交渉の一場面だ...
1 2