4年前、長居公園(大阪市)で音楽グループ「エグザイル(EXILE)」の公演前に起きた落雷死亡事故の現場には今も手を合わせる人が絶えない。その事故現場には、献花台などが置かれているが、それらを突然、長居公園を管理する長居パークセンターが撤去すると関係者に通知し、遺族らに動揺が広がっている。(アイ・アジア編集部)

献花台の横に出された撤去通知(撮影:鈴木祐太)
献花台の横に出された撤去通知(撮影:鈴木祐太)

 

2012年8月18日に落雷事故は起きた。人気音楽グループ「エグザイル」や「三代目 ジェイ・ソウル・ブラザーズ(三代目J Soul Brothers)」などが出演する「エイ・ネーション2012(a-nation 2012)」のコンサートが予定されており、多くの人が長居公園に訪れる中、岩永牧子さん(福岡県北九州市)とその友人が、スタジアムがある公園内で落雷に遭い死亡した。

事故後、多くの人が現場を訪れ、献花をしたり手を合わせたりと、被害者の冥福を祈る姿が絶えなかった。事故時に現場にいた人や遺族が協力して献花台や事故を説明する看板などを設置し、事故現場は追悼の場となっていた。遺族は北九州に住んでいるので頻繁に事故現場に足を運べないのため、その代りに毎日、公園近くに住む人が献花台を管理してきた。

そうした中、5月2日に突然、長居公園の管理を大阪市から請け負っている長居パークセンターが「違法占用物の撤去について」と題する紙を現場に貼りだした。

これに対して、事故現場を管理してきた人や遺族から、怒りと戸惑いの声が上がっている。亡くなった岩永牧子さんの母親の岩永和子さんは「事故現場の献花台を撤去しないで欲しい。撤去をするのであれば、事故があったことを伝えるためのモニュメントを事故現場に設置してほしい」と話している。和子さんは、碑の設置のための署名活動も現在行っている。

長居パークセンターはアイ・アジアの取材に対して、「春前からバルーンが設置され看板の規模が大きくなっていったので、大阪市と協議して、公園条例に大きく反するので撤去することになった」と話している。
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