5月6日の労働党大会が近づき、成果を誇示したいのか金正恩政権がミサイル実験を繰り返している。韓米当局は失敗続きと見立てているが、4月23日に行った「潜水艦発射弾道ミサイル」(SLBM)発射実験をについて、翌日の北朝鮮官営メディアは、金正恩氏の現地視察の写真を多数交えて「大成功」と報じた。5回目の核実験の準備も整ったとされる。度重なる核、ミサイル実験について北朝鮮国民はどのように受け止めているのか? 4月末、北部地域に住む女性に話を聞いた。(聞き手 カン・ジゥォン)
――金正恩政権がミサイル発射実験を繰り返しています。4月24日には「潜水艦発射ミサイル」実験に大成功したと報道していますが、内部ではどのように受けとめていますか?
何のためにそんなものを何度もやると言っていますか? こちらでは、電気が来なくてニュースも見られず(ミサイル実験について)よくわからないんです。以前から「国防力強化のために金をつぎ込めば将来暮らしがよくなる」と、嘘ばかりついてきたので、民衆は、実験をしようが、どうしようが(成功したと)信じないし、気にもしません。
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――核もミサイルも人民生活に何の助けにもなっていないのなら、なぜ金正恩氏は実験を続けるのでしょうか?
金正恩は、自分の地位から追い出されるかもしれないと思っているんでしょう。正直に言えば、私たちは、戦争が起ころうが、(負けて)誰かの下で暮らすことになろうが、今よりはましなんです。権力のある者は賄賂を取ることばかり考えていて、(庶民が)少し商売をしようものなら不法だと言う。上の親玉(金正恩氏)は住民が飢えて死ねば楽になるとでも思っているのか、暮らしがどんどんしんどくなります。
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